外国人アルバイトを「特定技能」で採用する方法を解説
2024年08月14日
少子高齢化によって人手不足が進んでいる日本では、外国人材に対するニーズが以前にも増して高まっています。2019年には、比較的単純な業務でも外国人を正社員採用できる「特定技能ビザ」が導入されたこともあり、「外国人採用」と聞くと正社員での採用をイメージする方も多いかもしれません。
しかし外国人採用においては、いきなり特定技能ビザで正社員採用するよりも、「まずアルバイトで採用してから特定技能ビザ(正社員採用)に切り替える」という手順を踏むほうがおすすめです。
そこで本記事では、「外国人アルバイトを特定技能ビザに切り替える」という方法で特定技能を採用するメリットや特定技能ビザへの切り替え法などをわかりやすくお伝えします。特定技能で外国人採用を成功させたい方は、ぜひ参考にしてください。
CONTENTS
アルバイトから特定技能への切り替え
特定技能ビザとは
2019年4月、外国人を正社員採用できる就労ビザとして「特定技能ビザ」が新規導入されました。移民政策をおこなっていない日本では、外国人による単純労働は原則禁止ですが、特定技能ビザの導入により、人手不足の業種に限って単純労働での外国人雇用が許可されたのです。
単純労働で外国人を雇用できるというメリットがあるいっぽうで、特定技能ビザにはデメリットもあります。それは、海外からの採用にコストと時間がかかることです。また現在(2020年8月時点)は、新型コロナウイルスの影響により、海外にいる人材の採用活動が実質不可能ともいえる状態になっています。こういった採用難の状態はもうしばらく続くでしょう。
アルバイト採用から始めるメリット
そこでおすすめしたいのが、国内にいる外国人をアルバイトで採用し、その中から自社に貢献できる人材を特定技能切り替える方法です。
アルバイトは特定技能人材に比べて圧倒的に採用しやすい上に、採用コストも低めです。さらにこの方法であれば、アルバイトの期間を試用期間として活用できるため、いきなり特定技能ビザで正社員採用する場合に比べて、ミスマッチのリスクが格段に減ります。その結果、教育コストが抑えられるという点も、企業にとって大きなメリットでしょう。
また、海外から人材を採用するのではなく、すでに国内にいる外国人材を採用するため、新型コロナウイルスの影響も最小限で済みます。アルバイト採用でのスタートは、コロナ禍が収まる兆しの見えない今、多くの企業にとってメリットの多い採用方法なのです。
アルバイトから特定技能に切り替え可能な在留資格は?
日本に住む外国人の在留資格には、さまざまなものがあります。特定技能ビザへの転向を視野に入れるなら、どの在留資格を持つ人材をアルバイト採用すべきなのでしょうか?
日本でアルバイトができる在留資格をまとめると、以下の表のとおりになります。
在留資格 | 特定技能ビザへの転向 | アルバイト採用での労働時間制限 |
---|---|---|
留学 | OK | 週28時間まで |
家族滞在 | ||
日本人の配偶者等 | ||
永住者の配偶者等 | ||
特定活動 | ||
ワーキングホリデー | 制限なし | |
定住者 | 在留資格の変更なしに正社員採用できる | |
永住者 |
これを見ていただくとわかるとおり、アルバイト採用できる在留資格で、特定技能への転向ができないものはありません。さらに言えば、在留資格の変更なしに、アルバイトから正社員に転向できる在留資格もあります。つまり、アルバイト採用の時点では、本人の在留資格にこだわる必要はあまりないのです。
ただし、ワーキングホリデー以外の特定活動ビザ、留学ビザや家族滞在ビザなどでは、アルバイト採用にあたって個別に「資格外活動許可」を得る必要があります。「本人がどういった在留資格を持っているか」について、必ず事前に確認しておきましょう。
外国人をアルバイトとして採用する場合に最も注意したいのは、労働時間の規制です。上の表に記載したとおり、在留資格によっては、労働時間が週あたり28時間までと制限されています。制限がない在留資格のほうが少ないくらいです。
万が一、この制限を超えて働かせてしまうと、特定技能ビザへの切り替えが難航する可能性もあります。外国人材をアルバイトとして雇用する場合は、労働時間にじゅうぶん気をつけましょう。
アルバイトから特定技能に転向させる方法
アルバイトとして採用した人材の中に優秀な人材がいれば、特定技能ビザに切り替えて正社員として採用しましょう。特定技能ビザへの転向には、本人の試験合格と、会社側での手続きが必要です。ここでは、試験と手続きのそれぞれについて解説します。
試験の内容
特定技能ビザを取得するには、日本語試験と業種別技能試験の2つに合格する必要があります。
日本語試験については、「国際交流基金日本語基礎テスト」か「日本語能力試験(N4以上)」のどちらかでの合格が必要です。これらのテストでは、生活に支障がない程度の基本的な日本語力が問われます。また、介護分野では、さらに「介護日本語評価試験」での合格も求められます。
日本語試験について詳しくは、国際交流基金日本語基礎テストの公式サイトや、日本語能力試験の公式サイトをご覧ください。
技能試験では、業種によって実施頻度やスケジュールがバラバラなので、特に注意が必要です。 該当する業種の試験日程を早めに調べておきましょう。
法務省のホームページでは、試験実施予定の一覧表や、各試験情報を掲載しているウェブサイトを確認できます。新型コロナウイルスの影響でスケジュールが変更になる可能性もあるため、各団体が出している公式発表をこまめにチェックしてください。
また、技能試験の有効期限は、合格日より10年間となっています。
手続きの方法
特定技能ビザへの切り替えにあたり、外国人材を雇用する企業側は、必要な書類を揃え、定められたとおりに手続きをおこなう必要があります。また、ビザの発行後にも、受け入れ企業は特定技能人材に対してさまざまなフォローをおこなうことが義務とされています。
これらの手続きやフォローは、行政書士の力を借りつつ自社でおこなうこともできますし、登録支援機関に任せることも可能です。
登録支援機関とは、海外から特定技能人材を採用する際に、採用支援や渡航の手配、在留資格手続きや生活サポートを受け入れ企業に代わっておこなう機関です。アルバイトで採用した人材を特定技能に切り替える場合も、必要な手続きや入社後のフォローを登録支援機関に依頼できます。法務省によると、現在4,000以上の登録支援機関が存在しており、その中から自社に最適な機関を選ぶことになります。
特定技能ビザへの切り替えを自社でおこなうか、それとも登録支援機関に依頼するかは、受け入れ企業の自由です。次の項で、それぞれの方法におけるコスト感や手間などを見ていきましょう。
特定技能への転向は登録支援機関に任せるべき?
特定技能ビザへの転向時に必要な手続きは、
- 在留資格の変更手続き
- 入社後(転向後)のフォロー
の2段階に分けられます。
これらを両方自社でおこなえばコストが最小限に抑えられるのはもちろんですが、行政書士や登録支援機関に手続きの一部や全部を任せる方法もあります。依頼できる業務の内容や、その際のコストを見ていきましょう。
登録支援機関のおこなう業務とは
一般に、行政書士は在留資格の変更手続きのみを請け負い、登録支援機関は在留資格の変更のみならずその後のフォローもおこないます。以下は、登録支援機関がおこなうフォロー業務の例です。
海外から採用する場合に必要な業務
- 支援計画書の作成
- 渡航の手配
- 海外での採用支援
- 生活必需品の手配
- 住宅確保
- 生活オリエンテーション(銀行口座開設・携帯電話契約支援など)
- 日本語学習支援
- 相談や苦情への対応
- 定期的な面談
- 報告書の作成・提出 など
上にリストアップしたのは、特定技能人材を海外から採用する場合を想定した業務です。本記事でご紹介したように、国内在住の外国人材をアルバイト採用してから特定技能へ転向すれば、既に日本での生活に慣れているため、下記の業務は必要なくなります。
アルバイト採用からスタートすれば省略できる業務
- 渡航の手配
- 海外での採用支援
- 生活必需品の手配
- 住宅確保
- 生活オリエンテーション(銀行口座開設・携帯電話契約支援など)
- 日本語学習支援
したがって、国内にいる外国人のアルバイト採用からスタートすれば、入社後のフォローを自社でおこなうにしても、登録支援機関に任せるにしても、手間やコストを大幅に削減できるのです。
国内人材を特定技能に転向する場合の費用
特定技能ビザへの転向手続きを外部に依頼する場合、費用の目安は以下のようになります。
行政書士 | 登録支援機関 | |
---|---|---|
在留資格変更手続き | 10万円程度 | 10万円程度 |
入社後のフォロー | 行政書士のサービス外 ※登録支援機関を兼ねている行政書士も多い |
1人あたり月額2~3万円程度 |
「意外と費用がかさむなあ」と感じる方も多いかもしれません。しかし、国内にいる外国人材を採用すれば、渡航手配・日本語学習支援・住宅確保などの支援が必要なくなるため、海外からの採用と比べてコストを削減できます。さらに、入社までの時間も短縮できます。
在留資格の変更を依頼する際の費用は、行政書士・登録支援機関ともに10万円程度が相場のようです。多少の費用はかかりますが、書類を揃えて自ら入国管理局に出向く手間が省けるほか、自己申請で不許可になるなど、変更に手間取るリスクも回避できます。
登録支援機関には、住居の確保や生活に必要な契約支援・日本語学習支援・定期的な面談と報告書の作成など、企業に義務付けられる支援の委託が可能です。こういった支援を一括で依頼する場合、1人あたり月額2~3万円が相場だとされています。フォローの部分を自社でおこなえばコストは少なく済みますが、規模の小さな企業では少々大変かもしれません。
制度ができてまだ間もないこともあって、登録支援機関への委託費用は、行政書士報酬と比べてかなり幅広い印象です。複数の機関から相見積もりを取って検討するのがよいでしょう。
特定技能制度についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
【関連記事】「特定技能」での外国人採用の実情とアルバイト採用から開始するメリット!
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外国人採用を成功させるには、人材とのミスマッチリスクを防ぎ、採用・教育コストを抑えることがポイントになります。そのためには、最初から特定技能ビザで正社員採用するよりも、まずはアルバイト採用で試用期間を設けたあと、自社にマッチする人材のみ特定技能へと切り替えるほうがおすすめです。
新型コロナウイルスの影響で国をまたぐ移動に制限がかかっている今、すでに日本国内にいる人材をアルバイトとして雇用するのが、外国人材の最適な活用方法だといえるでしょう。
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