資格外活動許可とは?対象となる在留資格から申請方法まで
2024年08月01日
外国人アルバイトや正社員の雇用時に欠かせない、「在留資格の確認方法」とその中でも特に重要な「資格外活動許可」の申請について解説します。
在留資格によっては、在留の主たる目的となっている資格外での活動が制限されていて、就労ができなかったり、就労時間や働ける職種などが制限されたりする「就労制限」がある場合があります。就労制限がある在留資格の場合、資格外活動許可の申請が必要となりますので、しっかりと確認をしておきましょう。
CONTENTS
在留資格と「資格外活動許可」の申請状況を確認!
外国人労働者を採用する時は、面接時など「在留カード」の確認が必須となります。
在留カードには、在留資格が記載されていますが、在留資格には日本人同様に就労できる資格と、「資格外活動許可」を申請しないと、就労できない在留資格があります。
また、「資格外活動許可」の申請が必要な在留資格の場合、
・就労時間制限(週28時間の就労制限)
・風営法対象業種での就労制限
など、就労制限がある在留資格があるので注意が必要です。
最初にご覧いただきたいのは「就労制限」の有無です。
こちらには、「就労不可」、「指定書により指定された就職活動のみ可」といった記載があります。
資格外活動と就労制限 | 就労可能か? |
---|---|
就労不可 | △ |
指定書により指定された就職活動のみ可 | ○ |
就労制限なし | ◎ |
「◎」は就労可能です。
「○」、「△」は、許可や追加の確認が必要なケースです。
一つずつ見ていきましょう。
「就労不可」資格外活動許可の申請が必要な在留資格
・留学生
・特定活動
・家族滞在
これらの在留資格は、日本に滞在を許可されている目的が就労ではないため、就労をする際は、資格外活動許可を申請する必要があります。
「外国人留学生」の場合を例にあげると、外国人留学生は就学を目的として在留資格を取得しているので、就労をするためには、資格外活動許可を申請する必要があります。
(外国人アルバイトの採用をご検討中の方は、こちらのコラムも参照してださい「外国人アルバイトの雇用手続き」)
画像は「留学生の在留カード(見本)」です。
画像赤枠の箇所に「在留資格」とあり、隣に「留学」と記載されています。
在留資格って?
「在留資格」は日本国内での「活動」や「身分」に基づいて分類されます。
例えば、中学校の先生として活動する場合は「教育」という在留資格が、日本に定住する場合は「定住者」という身分に基づく在留資格が与えられます。
外国人留学生の場合は「留学」という在留資格によって日本での滞在が可能です。
ただし、在留カードには「就労制限」の有無について「就労不可」と表記されていますね。ですが、外国人留学生のアルバイトは大勢います。
もちろん彼らが不法就労をしているという訳ではなく、就労不可の記載があっても、「資格外活動許可」を得ることで就労できるようになります。
応募してきた留学生にアルバイトが可能かどうかは「在留カードの裏面」で確認できます。
「資格外活動許可」の有無は在留カードの裏面で確認
外国人留学生は知識を日本で学ぶために滞在しています。そのため彼らに付与される在留資格「留学」では、原則として就労は認められません。
しかし「資格外活動許可」を得ることで、外国人留学生もアルバイトが可能になります。
「資格外活動許可」の有無はカードの裏面にてご確認ください。
カード裏面の最下部に「資格外活動許可欄」とあります。
ここに「許可」と記載されている場合は、アルバイト就労可能です。
外国人留学生の場合は、資格外活動が許可されていても、週28時間までの就労時間制限や風俗営業(風営法)に該当する企業での就労が制限されているので、雇用の際には注意が必要です。
資格外活動の許可がない場合は、当該留学生に資格外活動許可を申請するように促してください。
資格外活動許可は外国人労働者が入国管理局に申請すれば、簡単に取得できます。採用時に許可がなくても、「雇用開始前」に資格外活動許可を申請することで「就労可能」です。
資格外活動の許可申請は、外国人労働者本人か、または企業による代行も可能です。
資格外活動許可の申請者
資格外活動許可は、次に該当する人物が申請することで取得可能です。
- 申請人本人
- 申請の取次の承認を受けている次の者で,申請人から依頼を受けたもの
- 申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
- 申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
- 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
- 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で,申請人から依頼を受けたもの
- 申請人本人の法定代理人
指定書により指定された就職活動のみ可(ワーキングホリデーの場合)
ワーキングホリデーで日本に滞在する外国人も、アルバイト就労が可能です。
その場合、就労制限の有無は「指定書により指定された就労活動のみ可」と書かれています。
ワーキングホリデーでの滞在の場合、在留資格は「特定活動」に当たります。
この場合、在留カードと併せて「指定書」を確認してください。
指定書には、ワーキングホリデーでの滞在であること、就労に関わる情報が記載されています。
尚、「特定活動」にはワーキングホリデーでの滞在ではないケースも含まれます。そのため採用の際は、在留カードだけではなく、必ず「指定書」も確認してください。「指定書」はパスポートに貼付されています。
就労制限なし(資格外活動許可の申請不要)
応募者の在留カードに「就労制限なし」と記載されている場合、資格外活動許可の申請は不要で、正社員やアルバイトでの雇用が可能です。
「就労制限なし」で「資格外活動許可」の申請が不要の在留資格は、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4種類あります。
在留資格 | 該当例 |
---|---|
永住者 | 永住許可を受けた者 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者・実子・特別養子 |
永住者の配偶者等 | 永住者・特別永住者の配偶者、我が国で出生し引き続き在留している実子 |
定住者 | 日系3世、外国人配偶者の連れ子等 |
上記4種類は「身分・地位に基づく在留資格」ですので、日本人の場合と同様、活動に制限がありません。
追加の確認等をせずに、アルバイトとして雇い入れることができます。
資格外活動許可と在留資格まとめ
在留カード上の就労制限の記載 | 就労可能か? | 対象となる在留資格 |
---|---|---|
就労不可 | 資格外活動許可が必要 |
留学 |
指定書により指定された活動のみ可 | 指定書の確認が必要 | 特定活動(ワーキングホリデー) |
就労制限なし | 日本人同様に就労可能 | 永住者 日本人の配偶者等 永住者の配偶者等 定住者 |
在留カード上に、「就労不可」と記載されている場合は、資格外活動許可の申請が必要です。
資格外活動許可の申請が必要なのケースでは、在留資格「留学」の他にも「特定活動」、「家族滞在」、「文化活動」が該当します。この場合も留学生と同様に、資格外活動許可を申請することで、一定の就労制限のもと、就労ができます。
また、ワーキングホリデービザは、「特定活動」の中に、位置付けられていますが、通常の特定活動と異なり、就労制限がありません。但し、在留カードには「特定活動」としか記載されていないため、在留カード上では、ワーキングホリデービザであることが確認できません、そのため、パスポートに貼付されている指定書を確認し、特定活動が「ワーキングホリデー」である事を確認する必要があります。
こちらと併せて、雇入れの際は「在留期間」も確認しましょう。
「在留期間」の確認
在留資格と併せて、その資格の範囲内で「いつまで滞在していいか」という具体的な「在留期間」が示されています。
また在留カードには有効期限があります。
- 在留期間の範囲内か
- カードの有効期限内か
こちらも併せてご確認ください。
双方に問題がない場合、雇入れ可能です。
外国人労働者の採用時の必須確認事項
- 就労制限の有無(必要に応じて「資格外活動許可」や「指定書」も)
- 在留資格
- 在留期間
- 有効期限
以上4点が採用前に必要な必須確認事項です。
ここからは、採用後の必要な「ハローワークの届出」に関する情報や、在留カードに関して知っておくと良い情報(在留カード番号照会方法)をご紹介します。
ハローワークへの届出には「在留カード番号」も必要!
外国人アルバイトの採用後は、速やかにハローワークへと「外国人雇用状況に届出」を行う必要があります。
届出の際は「在留カード番号」の記載が必要です。
在留カード番号は、カード右上に記載されている「英字2桁、数字8桁、英字2桁」の情報です。
令和2(2020)年3月1日以降から、在留カード番号の記載が必要になります。採用後は注意しましょう。
届出の方法は、「雇用保険被保険者となる外国人」と「雇用保険被保険者以外の外国人」の場合で異なっています。
詳細は厚生労働省の「Webサイト」でご確認ください。
その他 お役立ち情報
ここからは、採用時に役立つ情報をご紹介します。
- 在留カードに施されている偽変造防止対策は?
- 変更後の住所の確認方法
- 在留カード番号は「照会」も可能!
一つずつ見ていきましょう。
在留カードに施されている偽変造防止対策は?
在留カードの「偽変造防止対策」は、出入国在留管理庁のWebサイトに掲載されています。
対策内容は、次の5つです。
- MOJの文字がグリーンに変化する。
- カード左側がピンク色に変化する。
- 左右に傾けることでホログラムが3D的に動く。
- 見る角度を変えることで、文字の白黒が反転する。
- 暗所で見ると、透かし文字が入っている。
変更後の住所の確認方法
変更後の住所は裏面を見ることで確認できます。
在留カードを持つ外国人が日本滞在中に住所の変更を行った場合、14日以内に変更後の住居地を届け出なければなりません。
住居地変更の届出手続
住居地の変更をした中長期在留者は、変更後の住居地に移転した日から14日以内に、在留カード等を持参の上、変更後の住居地の市区町村の窓口でその住居地を法務大臣に届け出なければなりません。
もし万が一、住所変更手続きが済んでいない応募者を採用する場合は、雇用前に居住地変更の届出を行うよう促してください。
在留カード番号は「照会」も可能!
法務省入国管理局のWebサービス「在留カード等番号失効情報照会」で、在留カードの照会を行うことができます。
こちらのサービスでは「在留カード番号」と「有効期間年月日」の入力によって、在留カードの有効性を確認することができます。
最後に
外国人アルバイト採用時には、必ず在留カードの確認を行ってください。
不法滞在者や、就労が許可されていない(資格外活動許可の申請をしていない)外国人を雇用することのないよう、在留カードで見極めましょう。
参考情報
【在留カード画像:出典】出入国在留管理庁「在留カードとは?」
当ページで使用した「在留カードの画像」は、出入国在留管理庁WEBページに掲載されている画像を編集したものです。
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