留学生のバイト制限とは?|外国人アルバイト採用の注意点を解説
2024年08月25日
日本に住む外国人には様々な在留資格が付与されていますが、外国人留学生をアルバイトで雇用する場合は、「資格外活動許可申請」や「週28時間までの就労時間制限」など、注意すべきポイントがあります。実は、不便に感じる「週28時間制限」ですが、「朝だけ、夜だけ」など短時間シフトの人材確保をしたい飲食業や宿泊業からは重宝さています。 このコラムでは、外国人留学生のアルバイト採用のメリット、雇用の際の注意点について解説します。
目次
外国人留学生のアルバイト採用とは?
外国人留学生のアルバイト採用とは、日本の教育機関に通う外国人留学生が、学業と両立しながら働くことを指します。外国人留学生は、通常「留学ビザ」で日本に滞在しており、法律上、特定の条件下でアルバイトを行うことが許可されています。
外国人留学生のアルバイトは、学業を第一とするため、就労時間に制限があります。例えば、週28時間以内の勤務が基本であり、休暇期間中でも一定の制限があります。これらのルールを遵守することで、企業は留学生を法的に雇用することができます。
また、かつてはアジア諸国からの留学生が大半を占めていましたが、現在では外国人留学生の国籍は多国籍化しています。中国、韓国、ベトナムなどのアジア諸国に加え、最近ではネパールやスリランカ、さらにはインドやバングラデシュからの留学生も増加しています。また、アフリカ諸国や中東、欧米からの留学生も少しずつ増えており、留学生の国籍は非常に多様化しています。
こうした外国人留学生をアルバイトとして採用することで、企業は多様な文化や言語スキルを持つ人材を確保でき、特にインバウンド対応や国際業務において、大きな利点となります。次のセクションでは、こうしたメリットについてさらに詳しく説明します。
外国人留学生をアルバイト採用するメリット
日本に在留する外国人の国籍・地域は195にのぼり(出入国在留管理庁発表)、2023年度の在留外国人の数は340万人を超えました。多様な国籍や文化を背景に持つ外国人留学生をアルバイトとして採用することには、さまざまなメリットがあります。以下に、具体的なメリットを箇条書きで挙げ、それぞれについて説明します。
1. 多様な文化や言語スキルを活用できる
外国人留学生は異なる文化背景や母国語を持っているため、企業の多様性が向上し、国際化が促進されます。特にインバウンド対応が求められる職場や、海外市場を視野に入れた事業展開を行う企業にとって、彼らのスキルは大きな強みとなります。
2. 新たな視点やアイデアが生まれる
異文化の視点を持つ外国人留学生が職場に加わることで、他の従業員との交流を通じて新たな視点やアイデアが生まれ、創造性やイノベーションを促進する効果が期待できます。これにより、企業全体の活力が高まり、競争力が強化されます。
3. グローバルなマーケティング活動に貢献
外国人留学生は自身の国の文化や消費者傾向に精通しているため、企業のグローバルなマーケティング活動にも大きく貢献することができます。特に、企業がターゲットとする市場が留学生の母国である場合、その知識は非常に貴重です。
4. 週28時間の就労制限が有利な場合も
外国人留学生は、法的に週28時間以内の就労制限があります。この制限は、短時間のシフトでスタッフを確保したい企業にとって、特に早朝や深夜の時間帯に労働力を確保する上でメリットとなります。シフトの柔軟性が高まることで、企業は効率的に人材を配置することが可能です。
5. 法的に認められた雇用が可能
適切な手続きを踏むことで、企業は安心して外国人留学生を法的に雇用できます。外国人留学生に「資格外活動許可」があれば、学業と両立しながらアルバイトを行うことが許されており、企業側も安心して人材を活用できます。
外国人留学生を採用する際の注意点
外国人留学生を採用する際の注意点として、まず考慮すべきは、彼らが学業と仕事を両立させなければならない点です。アルバイト時間の制約を守りつつ、適切なシフト管理を行うことが求められます。特に繁忙期には、留学生の学業スケジュールを尊重しながら、労働時間を調整することが必要です。
また、言語の壁や文化の違いにより、職場内でのコミュニケーションに課題が生じることもあります。外国人留学生に対しては、業務内容をわかりやすく説明するだけでなく、異文化理解を深めるためのトレーニングやサポートを提供することが効果的です。
さらに、留学生の労働条件を適切に管理しなければ、法的なリスクが発生する可能性があります。労働契約書の作成や、就労時間の管理を徹底することで、トラブルを未然に防ぐことが重要です。このように、外国人留学生を採用する際には、企業としての責任を果たしつつ、円滑な職場環境を築くことが大切です。
留学生アルバイトの就労制限
また、前述の通り、外国人留学生の就労時間は週28時間以内に制限されています。これを超える時間の勤務を指示することは違法であり、企業には罰則が科される可能性があります。さらに、休暇期間中においても、制限は緩和されますが、上限が存在するため、注意が必要です。
加えて、外国人雇用状況の届出が必要です。企業は、留学生を雇用した際には、その情報を所定の期間内にハローワークへ届け出る義務があります。この手続きを怠ると、後に問題が発生する可能性があるため、必ず対応するようにしましょう。これらの法的要件を遵守することで、安心して留学生を採用することができます。
1)資格外活動許可の確認
外国人留学生には就労制限があります。
外国人留学生のアルバイト採用に関する法的要件として、まず重要なのは、留学生が「資格外活動許可」を取得していることを確認することです。この許可がなければ、外国人留学生はアルバイトを行うことができません。企業は、雇用前に必ずこの許可証の提示を求め、コピーを保管する必要があります。
「資格外活動許可」を取得していても、在留カードの表面には「就労不可」と記載されているため、裏面で就労許可の有無を確認する必要があります。
2)週28時間の就労制限の遵守
外国人留学生の就労時間は週28時間以内に制限されています。これを超える時間の勤務を指示することは違法であり、且つ、該当する外国人留学生が他社でアルバイト就労した時間も合算されます。これらの法令を遵守しないと企業に罰則が科される可能性があります。さらに、休暇期間中においても、制限は緩和されますが、上限が存在するため、注意が必要です。
3)ハローワークへの外国人雇用状況の届出
企業は、外国人留学生を雇用した際には、その情報を所定の期間内にハローワークへ届け出る義務があります(外国人雇用状況の届出)。この手続きを怠ると、後に問題が発生する可能性があるため、必ず対応するようにしましょう。これらの法的要件を遵守することで、安心して留学生を採用することができます。
外国人留学生のアルバイト採用方法
1. 人材派遣会社を利用する
派遣会社は、企業と留学生の間に立ち、適切な人材を紹介してくれます。派遣会社を利用することで、企業は採用手続きや労務管理の手間を軽減できるメリットがあります。一方で、直接外国人を雇用する場合と異なり、費用負担が多くなる点がデメリットとなります。
2. 人材紹介会社を利用する
人材紹介会社は、企業のニーズに合わせて、専門的なスキルや経験を持つ留学生を紹介してくれます。この方法は、特定の業務や役割に適した人材を求めている場合に特に有効です。
一般的な外国人アルバイトの人材紹介料は一人当たり10−30万円と言われており、継続して就労する人材と出会うことができれば、有効な採用方法の一つです。
3. 外国人求人サイトに掲載する
求人サイトでは、企業が直接求人広告を掲載し、留学生が応募する形で採用活動を進めることができます。求人サイトを利用することで、より多くの応募者の中から自社にマッチした人材をじっくり選ぶことができる点が求人サイトに掲載するメリットです。昨今では、外国人採用に特化した求人サイトも出てきています。
外国人留学生のアルバイト採用成功のためのポイント
外国人留学生のアルバイト採用成功のためのポイントとして、まずは彼らの学業と仕事のバランスを考慮することが重要です。シフト管理を工夫し、留学生が無理なく働ける環境を整えることで、長期的に安定した雇用関係を築くことができます。具体的には、テスト期間や重要な学期中はシフトを減らすなど、柔軟な対応が求められます。
また、留学生とのコミュニケーションを円滑にするために、言語サポートや文化理解のためのトレーニングを提供することが効果的です。これにより、職場内でのコミュニケーションがスムーズになり、業務効率が向上します。たとえば、日本語教育のサポートや、職場のルールや文化を説明するオリエンテーションを実施することが考えられます。
さらに、定期的なフィードバックを行い、留学生が職場に適応しやすい環境を提供することも大切です。これにより、彼らのモチベーションを高め、業務に積極的に取り組む姿勢を引き出すことができます。フィードバックの際には、ポジティブな点を強調しつつ、改善点についても具体的なアドバイスを与えることが効果的です。
最後に、法的要件を遵守し、適切な労務管理を行うことが不可欠です。これにより、企業は安心して留学生を雇用でき、留学生も安心して働くことができます。例えば、労働条件の明確化や、勤務時間の記録を厳密に行うことで、法令違反を防ぐことができます。
まとめ:留学生のバイト制限とは?
外国人留学生のアルバイト採用は、企業に多くのメリットをもたらします。多様な文化や言語スキルの活用、新たな視点やアイデアの導入、グローバルなマーケティング活動への貢献など、多くの利点があります。また、週28時間の就労制限があることで、企業側はシフト管理の柔軟性を高めることができ、特に短時間のシフトでの人材確保が求められる企業には大きなメリットとなります。
一方で、採用に際しては学業との両立、コミュニケーションの課題、法的要件の遵守といった注意点も重要です。これらを適切に管理し、外国人留学生が安心して働ける環境を整えることで、彼らの能力を最大限に引き出し、企業の成長に貢献してもらうことが可能となります。
外国人留学生を採用することで、企業は国際化と多様性を推進し、さらなる成長を目指すことができます。留学生たちがもたらす新しい風を受け入れ、これを企業の活力とすることが、今後の競争力強化の鍵となるでしょう。
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