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【定住者】・【永住者】とは?在留資格の違いについて解説

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日本に住む外国人の数はどんどん増えています。
今回は在留資格「定住者」・「永住者」について、どのような資格なのか、「定住者」・「永住者」二つの在留資格はどう違うのか、在留資格や就労制限も含め、詳しく解説したいと思います。
この記事でわかることは次のとおりです。
・定住者・永住者とはどのような資格か
・定住者の種類
・定住者・永住者、二つの在留資格の違い
・定住者資格申請について
・定住者雇用のメリット
・不法就労を防ぐために

定住者とはどのような在留資格か

「定住者」という肩書は、様々な理由により法務大臣が一定の在留期間、日本に定住することを認めた外国人に与えられる在留資格です。
どのような人が定住者になれるのか、その要件は数多くあります。
すべての種類を把握、理解するのは大変ですし、外国人雇用の面からはその必要もありません。
「定住者」の在留資格を持っている外国人は、原則的にどの仕事にも就けるという風に考えれば十分です。

定住者のタイプ

定住者には、次のように様々な種類があります。
・日系人やその配偶者
・日本人や永住者の連れ子
・日本人や永住者、定住者の6歳未満の養子
・難民認定を受けた外国人
・中国残留邦人やその親族

わかりやすいのは離婚、連れ子、2世・3世などでしょう。
そういった外国人の特別な理由を考慮し、一定期間の居住を認め、ビザを与える制度です。

「定住者告示」の項目

・マレーシアもしくは、インドネシアに庇護されているミャンマー難民で、国際連合難民高等弁務官事務所より保護が必要と認められ、日本に対しその保護を推薦する者
・日系人(2世、3世)
・定住者である日系人の配偶者(2世、3世)
・未成年、未婚者で、実親が日本人、永住者、定住者、日系人、日本人の配偶者または永住者の配偶者が扶養する者
本人が6歳未満で、養親が日本人、永住者または定住者である者(特別養子を除く)
・中国残留邦人とその配偶者、20歳未満の実子などの関係者

このような日系人などの定住資格を認めた理由は、1980年代の人手不足でした。
日本政府は人手を確保するため、かつて南米のペルーやブラジルに渡航した日本人を呼び戻し、在留資格を与えることにしたのです。
定住者には日本における就労活動の制限がありません。
そのため本人が好きな仕事に就くことができます。
ただし、在留期間は「6ヶ月」「1年」「3年」「5年」の4種類に決められており、期限が切れる前に更新する必要があります。
万が一切れてしまうと不法滞在者となり、強制送還の対象になるので注意が必要です。

「告示定住者」と「告示外定住者」

上記のように「定住者」となるための「身分」は多くの類型があるため、個々の要件や条件まで覚えるのは困難ですが、大きく2種類に分かれることだけは覚えておきたいものです。

・告示定住者:国があらかじめ告示を出して正式に認めている「定住者」の類型です。
上記で紹介したように主に日系人です。

告示外定住者:特別な事情があるために例外的に定住者としての身分が認められるものです。
原則すでに日本にいる人が対象で、国外から呼び寄せることはできません。

「永住者」とはどのような在留資格か

定住者と混同しやすいのが「永住者」です。その違いについて解説します。

永住者とは

在留資格「永住者」は、在留期限がなく、身分が変わっても日本に滞在し続けられる特別な在留資格です。
就労活動の制限もありませんし、定期的に在留期間更新許可申請を行うことも不要です。
このように非常に特別な「永住者」資格ですが、4つの条件を満たさなければなりません。

・原則継続して10年以上日本に在留していること
・素行が良好であること
・独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
・その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

※日本人・永住者または特別永住者の配偶者またはその子の場合は、1及び2に適合することを要しません。

「定住者」と「永住者」の違い

「定住者」は安定した滞在資格ですが、半永久的に滞在できる「永住者」ではありません。
無期限の「永住者」資格と異なり、6カ月・1年・3年・5年などあらあじめ決められた在留期限があり、期限前に必ず更新手続きをしなければなりません。
また、更新の際に身分や収入などが変わっていれば更新できないこともあり得ます。

定住者について

定住者資格を取る手続きの流れについて解説しましょう。

「定住者」在留資格の申請の流れ

まず申請の流れを解説します。

申請書類作成と必要書類

1.申請書類と添付書類
2.写真(縦4cm×横3cm)1枚(3ヵ月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付。)
3.その他
【在留資格認定証明書交付申請の場合】
返信用封筒(定形封筒に宛て先を明記の上、392円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
【在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請の場合】
・パスポート及び在留カードを提示
・ハガキ(住所・氏名を書く)

書類提出

入国管理局へ申請書類を提出します。

書類提出結果通知

申請時に入国管理局に渡した封筒、もしくはハガキで、結果の通知が届きます。

入国管理局で手続き

在留資格認定証明書交付申請の場合は不要です。
在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請の場合、入国管理局へ行き、収入印紙を購入、受領サインをします。

定住者ビザの種類とカテゴリー

定住者ビザは5種類あり、さらに5種類の中にもカテゴリー分けがあります。
複雑ですが、どのカテゴリーに当てはまるかで添付書類が変わるので要注意です。
どの種類のどのカテゴリーに当てはまるかをしっかり確認した上で、添付書類漏れがないようにしましょう。

5種類の定住者ビザ

1.外国人(申請人)の方が日系2世の配偶者(夫又は妻)である場合。
2.外国人(申請人)の方が日系3世である場合。
3.外国人(申請人)の方が日系3世の配偶者(夫又は妻)である場合。
4.外国人(申請人)の方が「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のいずれかの在留資格を持つ方の扶養を受けて生活する、未成年で未婚の実子である場合。
5.外国人(申請人)の方が「日本人」「永住者」「定住者」「特別永住者」のいずれかの(在留資格を持つ)方の扶養を受けて生活する、6歳未満の養子である場合。

なお、外国人が定住者として滞在資格を持つ場合、その配偶者も定住者となります。

不法就労助長罪に注意

外国人を雇用する企業には、在留資格の確認が義務付けられています。
応募者が定住者かどうかは在留カードで確認することができます。
在留カードの表面に「定住者」と記載されていれば、職業制限なく、ほぼどのような仕事でも就くことができます。
留学生の28時間ルールのように就業時間の制限もありません。
特定技能のように人材派遣が禁止されているということもありません。
日本人とほぼ同様に、どのような仕事にも、どんな労働形態でも、時間の制限なく働くことができるのです。
しかしながら、それは「定住者」としての資格が、現在進行形で正しく申請・付与されていることが条件です。
定住者は在留期限付きの資格ですから、期限が切れてしまっていれば無効であり、定住者に認められていた就労も不法になってしまいます。
昨今、不法就労が大きな問題となっており、不法就労が発覚した場合、外国人労働者本人が在留資格を取り消され出国強制になるだけでなく、企業側にも不法就労助長罪として罰則が課せられます。
故意ではなかった、知らなかった、ミスだった、すべて言い訳になりません。
在留期限がくる前に必ず更新手続きをしなければならないことを覚えておきましょう。
更新の際には次のポイントが確認されます。

・「定住者」としての身分に変更がないか
・収入や財産状況に変わりがないか
・犯罪や違法行為をしていないかをはきちんとしているか

また、「定住者」の手続きには身元保証書が必要であることが多く、雇用会社の関係者に身元保証人になって欲しいという依頼があるケースも見られます。
誤解しないでいただきたいのは、在留資格の身元保証はいわゆる借金の保証人のような金銭的債務ではありません。
当該外国人について人柄やバックグラウンドをよく知っていて、日本で違法行為などをしないいわば「素行の良い人間」だという保証です。

「定住者」・「永住者」雇用のメリット

「定住者」・「永住者」は、建設業・製造業・飲食業など技能実習や特定技能でしか認められない現場での仕事にも、事務職に就くこともできます。
医療や介護など著しい人手不足に悩む業界でも働けます。
正社員だけでなく、派遣社員やパート・アルバイトとして仕事をすることも問題ありません。
厳しい縛りのある就労系の在留資格などですと、職種、本人の学歴・職歴・資格に厳しい制限があり、それ以外の仕事はできません。
雇う側からすれば、「定住者・永住者」を雇用できれば非常に助かります。
ただし既に述べたように、永住者とは異なり、身分や収入など状況が変われば「定住者」でなくなってしまうというリスクがあります。
基本的に定住者の要件は、次の2つです。

・家族関係などの「身分」が基礎
・日本にいることが基本

ですから、長期出張で日本国外に滞在し続けている、結婚、離婚、死別、養子縁組、離縁や単身赴任などで家族形態が変わったという場合、「定住者」の在留資格に影響があることは頭に入れておきましょう。

在留資格「定住者」・「永住者」違い まとめ

「定住者・永住者」の在留資格をもつ外国人は、一般の就労系の在留資格のような職業制限がありません。
基本的にどの業種のどの職種も自由に選ぶことができますし、雇用形態や就労時間も、日本人に準じて外国人だという制限なく働くことができます。
雇用する側の企業にとっては、日本人とほとんど同じ扱いで済むので、非常に大きなメリットとなります。
しかしながら、永住者と異なり身分が変われば定住者の資格を失うことや、在留期限が切れる前にきちんと更新しなければ資格を失うことなど、注意するべき点もあります。外国人を雇用する側は、入管法・労働法などの法令違反とならないように、正しい知識を備える必要があります。

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