「外国人雇用管理主任者」「外国人雇用管理士」とは?資格取得の難易度や取得のメリットについて解説!
2024年08月01日
我が国では少子高齢化による人手不足やインバウンドの発展により、外国人雇用が必然となりつつあります。
外国人雇用を始めている企業は多いですが、法律、手続きや、受け入れ準備、マネジメントと、多くの知識や準備が必要なため、ノウハウのない特に中小企業や個人事業主には難しいです。
「何から手をつければ良いかわからない」「今後の外国人採用のために、必要な知識を身に着けたい」という企業や事業主に役立つのが、外国人雇用資格です。
今回は、外国人雇用に関する国家資格「外国人雇用管理主任者」と「外国人雇用管理士」を取り上げ、詳しく解説したいと思います。
Contents
外国人雇用管理士とは
外国人雇用管理士とは、外国人雇用の際に重要なポイント、知識、ノウハウなどについて正しい知識を持った人に与えられる国家資格です。外国人の雇用には、日本人の雇用とは異なる様々な手続きがあります。
在留資格の申請などは、煩雑なものも多く、手続きを誤ると、申請のやり直しや定性に時間がかかったり、印象悪化により許可されなかったり、あるいは「不法就労補助」ということで企業側が罰せられることもあります。
外国人を雇用する企業の人事や総務の担当者、経営者、送出機関、管理団体、登録支援機関、人材紹介・派遣企業、または外国人雇用を専門にする行政書士、弁護士、社労士などを想定しており、必要な在留資格や、特定活動等の知識のみならず、採用計画、受け入れ態勢の構築、就労ビザなどの書類作成、研修、外国人等同社のキャリアパス、マニュアル作成などが円滑に行える技能を網羅的に身に着ける助けとなります。
外国人雇用管理士資格者など外国人採用に関する資格保持者が社内にいることは、外国人雇用が初めて、または不慣れな企業にとっても大きな安心材料となるでしょう。
外国人雇用管理士試験の概要
実施団体: 一般社団法人 東京都外国人就労認定機構
受験資格: 誰でも受験可
会場: 本年度は東京会場、大阪会場のみ
実施日: 例年8月の年1回、2023年は9月3日開催(試験受付開始は2023年5月1日から)
試験時間: 2時間
テスト形式:マークシート方式
受験料: 税込9,900円
結果発表: 9月30日にEmail配信
合格基準: 非公開
合格率: 非公開
外国人雇用管理士試験の出題範囲
外国人雇用管理士試験は比較的簡単です。
試験内容は、外国人労働者を雇用するための基本知識ですので、ある程度の知識を既にもっている社会保険労務士や人事労務担当者であれば短期間の準備で合格する人が多いです。
合格率や合格基準については公開されていませんが、下記の出題範囲をある程度勉強すれば問題ないでしょう。公式テキストも出ています。
・外国籍就労者の募集および採用
・外向席就労者の労働条件
・外国籍就労者の安全衛生
・外国籍就労者の社会保障
・適切な人事と福利厚生
・在留資格の種類
・労働契約の終了
・外国籍就労者の不法就労
・異文化理解
外国人雇用管理士に合格した後は、外国人雇用支援センターへの登録手続きが必要です。
登録料: 39,800円
有効期間: 2年
2年ごとに更新手続きをしないと資格が無効になってしまうことに注意が必要です。
外国人雇用管理主任者とは
外国人雇用管理主任者とは、外国人雇用に関する国家資格です。外国人を雇用するにあたって知っておくべき、法令、労務管理全般、在留資格、申請方法、費用、活用できる助成金、そして採用後の育成まで、外国人雇用の流れについて総合的で専門的な知識を持ち、トータルサポートできる人材の育成を目的として設立されました。
この資格も外国人雇用管理士同様に、企業の労務担当者、経営者、行政書士といった、既に実務で雇用に携わってきた人が、さらに外国人雇用に関する専門性と理解を深めるために外国人雇用管理主任者の資格を取得することが多いのが現状です。
しかしながら、増える外国人採用を背景に、今後の需要がますます見込まれる国家資格だといえるでしょう。
上記で挙げた既に外国人雇用に実務で携わっている人だけでなく、今後、そのような企業の人事部や総務部に転職や異動を希望している方にとっても、取得しておけばセールスポイントとなる資格です。
外国人雇用管理士と資格の内容自体は近いのですが、試験の概要が異なりますのでのちほど解説します。
なので、外国人雇用の推進を考えているのであれば、この外国人雇用管理主任者資格所持者など外国人採用に関する資格保持者を採用または育成すれば、外国人採用、手続、管理、サポートがスムーズに進みます。
難しい場合は、外国人雇用管理主任者の資格を持つ社労士等の国家資格者やコンサルタントに、業務委託するという方法もあります。
外国人雇用管理主任者試験の概要
実施団体: 株式会社東京リーガルマインド
受験資格: 誰でも受験可能
会場: 260ヶ所のテストセンターから選択
実施日: ほぼ毎日
試験時間: 60分
テスト形式:パソコンを使ったCBT方式、四肢択一式50問
受験料: 税込8,500円
結果発表: 即時
合格基準: 70%以上正答
合格率: 非公開
外国人雇用管理主任者試験の出題範囲
外国人雇用管理者試験はそれほど難しくありません。
試験内容は次のとおりです。
・外国人雇用の基礎知識
・在留資格の基礎知識
・平成31年入国管理法大改正
・特定技能ビザ(特定技能外国人)
・受け入れ企業と登録支援機関の役割
・外国人労働者の採用計画(費用・研修・社内理解)
・外国人労働者に教えるビジネス日本語とビジネスマナー
・労務管理のルール(労働基準法・労働保険・社会保険)
・雇用契約書や就業規則の作り方
・外国人雇用に対する助成金活用
難易度と合格率
外国人雇用管理主任者試験はそれほど難しくありません。
実際に、無料公開されている学習用のレジュメや動画だけで合格した方も多数いらっしゃいます。外国人雇用管理士に合格した後は、外国人雇用支援センターへの登録手続きが必要です。
登録料:10,000円
有効期間:3年
3年ごとに更新手続きをしないと資格が無効になってしまうことに注意が必要です。
外国人雇用管理主任者資格の三大メリット
外国人雇用管理主任者が企業内にいれば、その専門的な知識を活かし、受け入れ準備や手続きがスムーズに進みます。事業主自身、または労務担当者が外国人雇用管理主任者の資格を持つことによるメリットについて解説します。
スムーズな外国人雇用を実現できる
外国人雇用管理主任資格取得者は、在留資格や入国管理法などの法的知識や手続きについての知識があります。
そのため複雑な手続きがスムーズに遂行されるだけでなく、不法就労などのリスクを防げます。
昨今のインターネット社会では、ひとたび問題が起きてしまうと企業の悪いイメージが一気に拡散してしまいます。
そのため、外国人雇用管理主任者を採用したり自社で育成することは、非常に大きな手間の削減やリスクの低減につながります。
外国人労働者についてのトラブルに対処できる
実際に採用した後も、日本とはまったく異なる文化や背景を持つ外国人労働者が、私たち日本人には予測できなかったような行動を取ることは少なからずあります。そのため日本人従業員と衝突や軋轢を生んだり、トラブルを起こしてしまったりすることもあります。
外国人雇用管理主任者は、外国人労働者を活用するためには、受け入れ側の理解や教育体制が必要なことを理解しています。また雇用契約書やルールの説明などを通し、未然にトラブルを防ぐこともできます。例えば「雇用契約書の内容を理解していない」「給与から保険料が天引きされる」この2つは、外国人労働者が理解できるように説明しなくてはなりません。
異文化交流・異文化理解の促進
外国人雇用管理主任者は、いわば社内で最も異文化理解・交流の重要性を理解している人物です。
外国人労働者に定着し長く働いてもらうためには、異文化理解・交流が深まるようなレクリエーションなどのイベントも必要かもしれません。
こういった提案が適切にできるのも、外国人雇用管理主任者の能力の一つです。
外国人雇用管理主任者に合格するための勉強方法
外国人雇用管理主任者の試験勉強は、まず無料で公開されている動画や学習用テキストから始めましょう。
それらを終えたら、公式Webサイトに掲載されている指定参考図書でさらに理解を深めることができます。
合格率を上げるには対策講座で学ぶこともできます。
外国人雇用管理アドバイザーについて
上記2つの資格が、外国人労働者雇用に携わる方向けの最も代表的な資格ですが、他にもありますので、引き続きご紹介したいと思います。
外国人雇用管理アドバイザーという資格は、外国人の雇用に関して、疑問や不明点がある企業や事業主からの相談を受けるためのものです。
実際に既に外国人労働者を雇用している企業や事業主の中には、文化の差異、言葉を含む意思疎通の難しさ、教育、業務・生活・メンタル面のフォローなど、様々な悩みを抱えているケースがあります。
外国人に対する育成や管理は日本人同士の場合より難しいですし、トラブルが起きたときも対処法がわからない場合があります。
そんな時、相談できるプロが外国人雇用管理アドバイザーです。
外国人雇用管理アドバイザーは、主に社会保険労務士や行政書士といった専門家がその知識や経験をもとに相談を受けており、「外国人雇用管理アドバイザー」といった資格があるわけではありません。
つまり前述した外国人雇用管理士や外国人雇用管理主任者の資格者が十分な経験を積めば、この外国人雇用管理アドバイザーと同じような役割を果たすことができるのです。
外国人雇用管理アドバイザーに相談できる問題
外国人雇用管理アドバイザーに相談できる内容は次のとおりです。
・外国人労働者の雇用方法や採用に関する相談:募集の仕方、採用方法、契約締結方法、活用できる制度、雇用に際しての準備(労働条件や社会保険制度の整備)
・外国人労働者の育成・管理方法の相談:言葉の壁を超えて業務上必要な知識や日本語を覚えてもらう、生活習慣や病院へのかかり方など日本で生活をスタートするにあたっての注意点など
・外国人労働者雇用中の問題やトラブルに関する相談:外国人労働者との接し方、不満の解消方法母国言語による相談、外国人労働者と雇用者の調定など
非常に頼りになる外国人雇用管理アドバイザーではありますが、ハローワークを通し利用を申し込まなければならず、また企業の内部事情やこれまでの経過をすべて把握しているわけではないので、迅速性の面で劣るというデメリットがあります。
その点でも、自社内に外国人雇用管理士や外国人雇用管理主任者がいる、またはそれらの資格を持つ外部サービスとコンサルティング契約を結ぶことは効果的だと言えるでしょう。
「外国人雇用管理主任者」「外国人雇用管理士」 まとめ
今や、労働力の不足が避けられない日本において、外国人労働者の流入は必然です。
政府も積極的に外国人労働者を迎え入れる施策を取っています。
しかしながら、外国人労働者の雇用には様々な制限や手続きが必要のみならず、言葉、文化、宗教、価値観、生活習慣が異なるため、企業や事業者側に知識と準備が求められます。
そんな外国人労働者雇用において、労務担当者が取得していれば非常に役立つ資格について今回はお話しました。
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