特定技能【自動車整備】とは?どんな業務に従事できる?受け入れにかかる費用まで徹底解説します!
2023年07月20日
日本における少子高齢化により加速する人手不足を解消するために、外国人を受け入れることができる特定技能が設立されました。
特定技能「自動車整備」も制度のうちの一つで、人材不足の解消に注目されています。
今回は、特定技能「自動車整備」で外国人が従事できる業務、受け入れる方法、注意点をわかりやすく解説していきます。
ぜひ外国人の採用へとお役立てください。
特定技能「自動車整備」とは?
特定技能「自動車整備」とは、外国人が日本で自動車整備分野に従事することができる在留資格です。
特定技能とは、特定の産業における人手不足を解消するために2019年に新設されました。
特定技能には1号と2号の2種類があります。
特定技能1号と2号は、在留期間や技能水準などさまざまな違いがありますが、自動車整備は1号のみとなっています。
自動車整備業界の現状
自動車整備業界では、人手不足が加速しています。
それではなぜ、自動車整備での人材不足は深刻化しているのでしょうか。
これにはおもに3つの理由があげられます。
一つ目の理由が、日本における若者の車離れです。
一昔前は車を所有しているというのは一種のステータスでした。
しかしながら、近年は状況が一変しています。
なんと、車の購入や維持費にお金がかかる、レンタカーやカーシェアで十分であるといった理由から、車を持たない若者が増加しているのです。
車の所有人口の減少が、自動車整備士を志す若者の減少にもつながっているようです。
二つ目の理由が、自動車整備士の仕事に対するマイナスイメージです。
自動車整備は人の命にも関わる重要な役割にもかかわらず、低賃金、重労働であるイメージがあるといいます。
実際に、サービス残業の多さや給料の増加が見込めないという問題も抱えているようです。
最後の理由が、少子高齢化による労働人口の減少です。
これは自動整備分野に限らず、日本全体が抱えている問題でもあります。
自動整備士でも高齢化が進み、労働力不足が加速しているようです。
特定技能「自動車整備」ができた背景
前途したように、自動車整備士の人手不足は深刻化しています。
若者の車離れや業務環境に対するマイナスイメージが関係しているようです。
この自動車整備士の人手不足を解消するために、特定技能「自動車整備」が創設されました。
少子高齢化が加速している日本において、外国人材の受け入れは希望の光となっているのです。
特定技能「自動車整備」受け入れ人数の現状
特定技能「自動車整備」での外国人受け入れ人数は、出入国在留管理庁の発表によると、2022年12月末時点で1,738人でした。
受け入れが多い国別の人数は以下です。
ベトナム…827人
フィリピン…614人
インドネシア…123人
ベトナム、フィリピン、インドネシアとアジア圏からの受け入れが多くなっています。
特定技能「自動車整備」で従事できる業務
特定技能「自動車整備」では、おもに自動車整備に関わる業務に従事することが許可されています。
具体的な業務内容は以下です。
-日常点検整備
-定期点検整備
-分解整備
それぞれの業務内容を詳しくご紹介していきます。
日常点検整備
日常点検整備とは、自動車の簡単な基本点検のことを指します。
具体的な内容としては、エンジンの点検、タイヤに傷がないか、またブレーキ液やエンジンオイル、冷却水の確認などです。
定期点検整備
定期点検整備とは、路運送車両法に沿った自動車の法定点検整備です。
日常点検のような簡単な点検とは異なり、細かな点を確認する点検となります。
具体的な点検内容は下記です。
-ステアリング装置
-ブレーキ装置
-走行装置
-電気装置など
分解整備
分解整備とは、自動車のメインとなる部品を分解しておこなう整備のことです。
整備するおもな部品は以下の通りです。
-原動機
-動力伝達装置
-走行装置
-かじ取り装置など
雇用形態・期間
特定技能「自動車整備」では、直接雇用のみが許可されています。
そのため、派遣として雇用することはできません。
また、原則としてフルタイムの正社員として雇用し、給与水準も日本人社員と同等以上である必要があります。
フルタイム勤務の基準としては、週5日、30時間以上の勤務が必要となります。
雇用期間は、原則として5年が上限となっています。
特定技能「自動車整備」の受け入れ要件
特定技能「自動車整備」で外国人を受け入れるには、外国人側がいくつかの要件を満たしている必要があります。
詳しくご紹介していきます。
「自動車整備分野特定技能評価試験」の合格
まず「自動車整備分野特定技能評価試験」の合格が必須となります。
自動車整備分野特定技能評価試験とは、一般社団法人「日本自動車整備振興会連合会」がおこなう試験です。
試験は、学科試験と実技試験の2つに分かれています。
学科試験は60分、30問の〇✕形式です。
内容は、自動車の構造、機能、点検、修理や燃料の性質などが問われます。
実技試験は20分、3問で、簡単な点検、分解、組み立て、修理などが求められます。
試験のレベルとしては、自動車の定期点検や分解整備などの作業を一人で正しくおこなえるレベルが必要となります。
合否の基準として、学科試験は正答率が65%以上、実技試験は得点率が60%以上となっています。
日本語試験に合格
二つ目の要件として、受け入れる外国人が日本語試験に合格していることが必須となります。
日本語試験には、「国際交流基金日本語基礎テスト」と「日本語能力試験」があります。
日本語能力試験は5つのレベルに分かれており、N4以上のレベルに合格しなければいけません。
N4とは、日常生活において簡単な文章の読解や会話の内容がきちんと理解できるレベルとなります。
国際交流基金日本語基礎テストは年に5回、日本語能力試験は年に2回開催されます。
「自動車整備」分野の技能実習2号からの移行
特定技能「自動車整備」で外国人を受け入れる方法として、別の在留資格である技能実習2号から移行するという選択肢もあります。
条件としては、技能実習2号「自動車整備」を良好に終了することで、前途した日本語試験や技能試験を受けることなく、特定技能「自動車整備」へ移行することができます。
ただし、移行には準備期間も含め、3か月ほどかかる場合もあることを念頭に置いておくとよいでしょう。
特定技能「自動車整備」での外国人受け入れ費用
特定技能「自動車整備」で外国人材を受け入れる際は、おもに人材紹介料、在留資格の申請・変更手続き、事前ガイダンスや生活オリエンテーションなどの支援費用がかかります。
それぞれの手続きにかかる費用は下記です。
人材紹介料…約30万円
在留資格の申請・変更手続き…約10万円
支援費…約2~3万円/月
人材紹介料とは、外国人の採用活動で発生する費用となります。
自社で採用活動をおこなうこともできますが、求職者からの応募がない、また外国語に対応する必要があるという点から、人材紹介会社に依頼するのが一般的でしょう。
在留資格の申請・変更手続きについても、複雑な書類作成や専門的な知識が必要なことから、委託業者に依頼する場合が多いでしょう。
費用としては、平均して10万円ほどかかります。
最後に支援費についてです。
外国人の支援計画の実施は義務づけられており、なおかつ外国人材が理解できる言語を用いておこなう必要があります。
委託業者に依頼することが多いため、平均して月に2~3万円がかかると見込んでおくとよいでしょう。
外国人を受け入れる企業に求められる要件
特定技能「自動車整備」で外国人を採用する場合、受け入れ企業はいくつかの要件を満たしている必要があります。
おもな要件は以下になります。
・道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第78条第1項に基づき地方運輸局長から認証を受けた事業場を有すること。
・国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
・1級又は2級の自動車整備士の技能検定に合格した者(道路運送車両法第55条第1項の技能 検定をいう。)又は自動車整備士の養成施設(同条第3項に規定する 養成施設をいう。)において5年以上の指導に係る実務の経験を有する者が置かれていること。
所属機関(受入れ企業)が注意すべきこと
特定技能「自動車整備」で外国人を雇用する際、受け入れ企業に義務づけられている手続きを忘れてはいけません。
ここでは大切な2つのポイントについて解説していきます。
受け入れ支援の適切な実施
特定技能で外国人を受け入れる企業は、外国人がスムーズに業務や日常生活を行えるよう「支援計画」の作成、実施が必須となります。
支援内容には、義務づけられている義務的支援のほか、任意的支援があります。
支援計画のおもな項目は以下です。
-事前ガイダンス
-出入国する際の送迎
-住居確保・生活に必要な契約支援
-生活オリエンテーション
-公的手続等への同行
-日本語学習の機会の提供
-相談・苦情への対応
-日本人との交流促進
-転職支援
-定期的な面談・行政機関への通報
事前ガイダンスや生活オリエンテーションは義務的支援となり、実施は必須です。
このような支援計画の作成と実施は、専門的な知識や書類の作成が必要となるため、登録支援機関と呼ばれる委託機関に依頼する場合が多いです。
自動車整備分野特定技能協議会への加入
特定技能「自動車整備」で外国人を初めて受け入れた企業は、4か月以内に自動車整備分野特定技能協議会への加入が義務づけられています。
協議会は、特定技能の適切な運用を促すために作られた組織です。
特定技能「自動車整備」まとめ
特定技能「自動車整備」とは、外国人が日本で自動車整備分野に従事することができる在留資格です。
若者の車離れや業務環境に対するマイナスイメージによる自動車整備士の人手不足を解消するために、特定技能「自動車整備」は創設されました。
特定技能「自動車整備」ではおもに、日常点検整備、定期点検整備、分解整備に従事することが許可されています。
また、外国人は技能評価試験と日本語試験の合格が必須です。
いっぽう受け入れ企業は、受け入れ支援、協議会の加入が義務づけられています。
自動整備分野における人材不足の解消に、ぜひ特定技能制度を活用してみてはいかがでしょうか。
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