特定技能【ビルクリーニング】とは?どんな業務に従事できる?受け入れにかかる費用まで徹底解説します!
2024年08月20日
清掃業界では、深刻な人手不足が進んでいます。そこで注目されているのが、特定技能「ビルクリーニング」です。
特定技能は、外国人が日本で特定の分野に従事できる在留資格です。
しかし、外国人の採用は複雑でハードルが高いとお思いの方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方のために、特定技能「ビルクリーニング」で従事できる業務から、外国人を受け入れる要件、さらに受け入れにかかる費用まで詳しく解説します。
ぜひ外国人受け入れの第一歩として、お役立てください。
特定技能「ビルクリーニング」とは?
特定技能「ビルクリーニング」とは、外国人が日本でビルクリーニング業に従事できる在留資格です。
2019年4月に創設されました。
以前は専門技能を有する外国人のみ受け入れが可能でしたが、特定技能制度の新設により単純労働に分類される分野にも従事できるようになりました。
特定技能のおもな目的は、人手不足が深刻化している分野の人材不足の解消となっています。
ビルクリーニング業の現状
ビルクリーニング業は、深刻化人手不足に陥っています。
厚生労働省によると、平成29年度のビルクリーニング分野における有効求人倍率は2.95倍となっています。
これに加え、労働者の高齢化もビルクリーニング分野の課題です。
ビルクリーニング分野の人手不足が進む要因は、おもに2つあげられます。
一つ目の要因が、特別な技能を要する業種ではないため、参入がしやすく人件費を上げることが難しいという点です。
賃金の低さから、なかなか求人は集まらないのが現状です。
二つ目の要因がビルクリーニング業界の取り組みです。
賃金の低さにより人手不足が進んでいるにもかかわらず、ビルクリーニング業界はなかなかこの問題に着手しませんでした。
その結果、人手不足は深刻化し現在に至ります。
ビルクリーニング業における外国人受け入れ人数
出入国在留管理庁によると、2022年12月時点でのビルクリーニング業における外国人受け入れ人数は1,867人となっています。
国籍で見ると、ベトナム人が1,034人と一番多く、次いでミャンマー人が226人です。
政府は特定技能制度が創設された2019年から5年間で、ビルクリーニング業界での外国人受け入れを最大で37,000人と想定しています。
まだまだ想定数にはほど遠い数字となっていることがわかるでしょう。
特定技能「ビルクリーニング」で従事できる業務
特定技能「ビルクリーニング」で従事できる業務は以下です。
【おもな業務】
ビルクリーニング作業(日常清掃、定期清掃、中間清掃、臨時清掃)
客室のベッドメイク作業
【付随業務(日本人社員がおこなう関連業務)】
資機材倉庫の整備作業
建物外部正常作業(外壁、屋上等)
客室以外のベッドメイク作業
建築物内外の植栽管理作業(灌水作業等)
資機材の運搬作業(他の現場に移動する場合等)
ベッドメイク作業を除く客室棟整備作業等
ベッドメイク作業も可能
特定技能「ビルクリーニング」では、名前の通りビルクリーニング作業はもちろんのこと、ベッドメイク作業もおこなうことができます。
また、ビルクリーニング、ベッドメイク作業をおもな業務とする他、日本人社員がおこなう関連業務にも従事することが可能です。
しかし、ここで注意しなければいけないのが「付随業務のみ」をおこなうことは許可されていないという点です。
あくまで付随業務としておこなうことが許されているため、メイン業務はビルクリーニング、ベッドメイク作業である必要があります。
雇用形態・期間
特定技能「ビルクリーニング」では、直接雇用のみが許可されています。
派遣形態などで雇用することはできないので注意が必要です。
また、特定技能での雇用は最長5年となっています。
給与水準は、日本人と同等以上である必要があります。
最低賃金を下回ることは許されていません。
外国人が特定技能「ビルクリーニング」を取得するには
特定技能「ビルクリーニング」を外国人が取得するためには、いくつかの要件を満たしている必要があります。
それぞれ詳しくご紹介します。
特定技能評価試験に合格
まず「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」に合格しなければなりません。
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験とは、ビルクリーニング業で必要な技能や知識を外国人が有しているか確認するための試験です。
試験は判断試験と作業試験に分かれており、試験では以下の知識が問われます。
作業の段取り
道具・資材の使用
各場所・部位の清掃
廃棄物処理作業
道具の整備
受験資格は、受験日に17歳以上である必要があります。
試験時間は判断試験20分、作業試験12分です。
どちらも合格点は正答率60%以上となっているようです。
日本語試験に合格
特定技能評価試験のほか、日本語試験に合格しなければなりません。
日本語試験に合格し、一定の日本語力があることを証明する必要があるからです。
日本語試験は、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」から選ぶことが可能です。
日本語能力試験(N4以上)とは、日常生活で基本的なやり取りができるレベルとなります。
試験の日程は7月と12月、マークシート方式でおこなわれます。
いっぽう国際交流基金日本語基礎テストも年に数回実施されます。
技能実習2号「ビルクリーニング」分野を良好に修了
技能実習2号「ビルクリーニング」分野を良好に修了すれば、上記の試験を受けることなく、特定技能に移行することが可能です。
技能実習2号は、特定技能とは異なり、外国人が日本の技術を習得し、母国へ持ち帰ることを目的とした制度となります。
技能実習2号「ビルクリーニング」を良好に修了していれば、同じ特定技能分野の「ビルクリーニング」への移行が許可されています。
特定技能「ビルクリーニング」の企業の受け入れ要件
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を受け入れる企業は、いくつかの要件をクリアしている必要があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」への登録
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を受け入れる場合、「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」への登録が必要となります。
「建築物環境衛生総合管理業」への登録には、物的要件、人的要件、その他の要件をクリアしなければなりません。
基準は以下になります。
【物的要件】
真空掃除機
床みがき機
残留塩素測定器
浮遊粉塵測定器
一酸化炭素測定器
二酸化炭素測定器
温度計(0.5度目盛)
乾湿球湿度計 (0.5度目盛)
風速計(0.2m毎秒以上の気流を測定することができる測定器)
空気環境の測定に必要な道具(測定用スタンド等)
【人的要件】
人的要件では、下記の人材がいることが求められます。
統括管理者
清掃作業監督者
空気環境測定実施者
空調給排水管理監督者
従事者研修を修了していること
【その他の要件】
作業や機械器具等の維持管理について、指定された方法に従う必要があります。
ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入
ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入も必須です。
特定技能協議会とは、特定技能制度の適切な運用を促すために作られた組織です。
初めて外国人を受け入れる場合は、4か月以内の加入が義務づけられています。
特定技能「ビルクリーニング」で外国人受け入れにかかる費用
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を受け入れる際は、おもに人材紹介料、在留資格の申請、支援費などがかかります。
それぞれの費用相場は以下です。
人材紹介料…およそ30万円
在留資格の申請・変更手続き…およそ10万円
外国人支援費…およそ2~3万円/月
各費用の項目について詳しく解説していきます。
人材紹介料
人材紹介料とは、外国人を採用する際に人材紹介会社の利用や求人掲載にかかる費用のことです。
外国人の採用は、外国語や専門知識を要するため、自社でおこなうことは難しい場合が多いです。
人材紹介会社を利用することで、安心したスムーズな採用をおこなうことができます。
そのため、人材紹介料には30万円ほどかかると見込んでおくとよいでしょう。
在留資格の申請・変更手続き
人材紹介会社で外国人材が見つかったら、次に必要なのが在留資格の申請、または変更の手続きです。
特定技能での在留資格に必要な書類の準備は膨大で、専門的な知識を要するため、専門の委託業者に依頼するのがよいでしょう。
委託費用は、およそ10万円かかります。
外国人支援費
最後に必要となるのが外国人支援費です。
外国人支援とは、前途した特定技能で外国人を採用する場合に義務づけられている制度です。
自社でおこなうことは難しい場合が多いです。
登録支援機関に委託をした場合は、毎月約2~3万円かかると思っておくとよいでしょう。
特定技能「ビルクリーニング」まとめ
特定技能「ビルクリーニング」とは、外国人が日本でビルクリーニング業に従事できる在留資格です。
2019年4月に創設されました。
特定技能「ビルクリーニング」で従事できるおもな業務には、ビルクリーニング作業(日常清掃、定期清掃、中間清掃、臨時清掃)、客室のベッドメイク作業などがあげられます。
特定技能「ビルクリーニング」では、直接雇用のみが許可されています。
派遣形態などで雇用することはできないので注意が必要です。
また、特定技能での雇用は最長5年となっています。
特定技能「ビルクリーニング」での外国人受け入れには、企業側、外国人側がともに一定の条件を満たしている必要があります。
初めての外国人受け入れの際は、専門的な知識や煩雑な手続きが必要となるため、登録支援機関に委託することをおすすめします。
ぜひ、人材不足の解消に特定技能「ビルクリーニング」の活用を視野に入れてみてください。
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