特定技能【漁業】とは?養殖分野など外国人労働者の受け入れ要件につい徹底解説します!
2024年08月16日
近年、漁業の人手不足が深刻化しています。
そんな漁業の人手不足の解消に向けて創設されたのが、特定技能「漁業」です。
しかし、外国人労働者の受け入れは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方のために、特定技能「漁業」で外国人労働者を受け入れる方法や注意点、費用などを詳しく解説します。
ぜひ、特定技能【漁業】での外国人労働者の受け入れにお役立てください。
特定技能「漁業」とは?
特定技能「漁業」とは、外国人が漁業に従事することができる2019年に創設された制度です。
特定技能は、労働人口の減少が加速している産業分野において、人手不足を解消するために設立されました。
漁業の現状
漁業従事者の人手不足は加速しています。
農林水産省「漁業構造動態調査」によると、2003年には約23万人だった漁業就業者数は、2020年には約13万人と10万人も減少してるのです。
漁業における人手不足の原因は、おもに2つあげられます。
まず一つ目が、業務がきつい・汚い・危険などマイナスイメージが強いという点です。
実際に、漁業は天候などに左右されるため、労働時間が不規則であったり、かなり体力が必要であったりすることが多いです。
このようなマイナスイメージから、若者がなかなか新規参入しにくいという現状があります。
二つ目の原因が、地方都市の過疎化です。
現在、日本では地方自治体の過疎化が深刻化しています。
これは、日本における少子高齢化も影響しています。
地方自治体の過疎化、少子高齢化に伴い漁業に必要とされる労働人口も減少し続けているのです。
特定技能「漁業」での受け入れ人数
2022年12月「出入国在留管理庁」の発表によると、特定技能「漁業」における外国人の受け入れ人数は、現在1,638人となっています。
国籍別に見ると、インドネシア人が1,268人とほぼ大半を占めています。
特定技能「漁業」で従事できる業務
特定技能「漁業」で外国人従事することができる業務は、おもに漁業と養殖業に分けられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
漁業
漁業で従事できる業務は以下です。
-漁具の製作、補修
-水産動植物の探索
-漁具、漁労機械の操作
-水産動植物の採捕
-漁獲物の処理、保蔵
-安全衛生の確保
また、上記のメイン業務に加え、漁具の点検や船体や魚倉の清掃など付随業務をおこなうことも許可されています。
養殖業
養殖業で従事できる業務は以下になります。
-養殖資材の製作、補修、管理
-養殖水産動植物の育成管理、収獲、処理
-養殖水産動植物の収獲、処理
-安全衛生の確保
上記の業務以外にも、魚市場・陸揚げ港での漁獲物の選別、仕分けなどを付随業務としておこなうことができます。
従事できない業務
注意しなければいけないのが、漁具の点検や船体や魚倉の清掃、魚市場・陸揚げ港での漁獲物の選別、仕分けなどの付随業務をメインでおこなうことはできないという点です。
あくまで前途したメイン業務に関連した業務として、付随業務をおこなうことが許可されてるので注意しましょう。
派遣での雇用が可能
特定技能「漁業」では、外国人を派遣で雇用することが可能です。
通常、特定技能では直接雇用のみが許可されていますが、閑散期など1年を通して業務量にバラつきがある漁業では、派遣で受け入れることができます。
また、特定技能外国人は閑散期など一時帰国が許可されています。
雇用期間は通算5年までとなりますが、繁忙期のみ6か月間働く場合、帰国期間を合わせると10年間雇用することが可能です。
給与水準
特定技能で外国人を採用する場合、原則として日本人と同等以上の給与を設定する必要があります。
最低賃金を上回っていなければいけないはもちろん、勤務時間外の労働は割増賃金を払います。
外国人だからといって、日本人との待遇を下回ることはできないので注意しましょう。
外国人が特定技能「漁業」を取得するには
外国人が特定技能「漁業」を取得するには、いくつかの要件をクリアする必要があります。
それぞれ解説していきます。
漁業技能測定試験に合格
まず「漁業技能測定試験」という試験に合格しなければなりません。
漁業技能測定試験とは、漁業に関する十分な知識があるかどうかを確かめる試験です。
試験は「漁業」と「養殖業」の分野に分かれており、それぞれ学科試験と実技試験があります。
学科試験は真偽式、実次試験は選択式となっています。
日本語能力試験に合格
日本語試験への合格も必要となります。
日本語試験は「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」から選ぶことができます。
日本語能力試験(N4以上)とは、日常生活で基本的なことが理解できるレベルです。
また、日本語能力試験は読み書き能力を重視しているいっぽうで、国際交流基金日本語基礎テストはコミュニケーション能力を重視している試験となります。
試験の実施回数については、日本語能力試験は年に2回、国際交流基金日本語基礎テストは年に6回です。
どちらの試験も年に数回おこなわれているため、受験者が受けやすい日程・場所を選択することができます。
漁業分野の2号技能実習を修了
2号技能実習の漁業分野を修了することで、漁業技能測定試験、日本語能力試験の2つの試験を受験せず、特定技能へ以降することも可能です。
2号技能実習とは、外国人が母国に専門技術を持ち帰ることを目的に設立された制度です。
具体的には2号技能実習で、以下のいずれかを修了している必要があります。
【漁業の場合】
漁船漁業職種8作業
かつお一本釣り漁業
延縄漁業
いか釣り漁業
まき網漁業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびかご漁業
【養殖業】
養殖業職種1作業:ほたてがい・まがき養殖作業
特定技能「漁業」で外国人を受け入れる要件
特定技能「漁業」で外国人を受け入れるには、以下の要件を満たす必要があります。
-「漁業特定技能協議会」 の構成員になること
-同協議会に必要な協力を行うこと
-支援制度の構築
それぞれ詳しく解説します。
漁業特定技能協議会への加入
まず、漁業特定技能協議会への加入が義務づけられています。
初めて特定技能で外国人を受け入れる場合は、雇用した日から4か月以内に手続きをおこなわなければいけません。
漁業特定技能協議会は、以下のいずれかの団体に加入する必要があります。
-一般社団法人大日本水産会
-全国漁業協同組合連合会
-一般社団法人全国いか釣り漁業協会
-一般社団法人全国近海かつお・まぐろ漁業協会
-一般社団法人全国底曳網漁業連合会
-一般社団法人日本定置漁業協会
-一般社団法人全国まき網漁業協会
-全国かじき等流し網漁業協議会
-全国金目鯛底はえ縄漁業者協会
-全国さんま棒受網漁業協同組合海土町
-一般社団法人全国海水養魚協会
-一般社団法人全日本持続的養鰻機構
-全国真珠養殖漁業協同組合連合会
-全国内水面漁業協同組合連合会
-全国海苔貝類漁業協同組合連合会
また、協議会へ加入後は、協議会へ現況調査などの活動への協力が義務づけられます。
協力が求められた際には必ず対応する必要しなければなりません。
支援制度の構築
外国人を採用する際は、支援計画の作成と実施が義務づけられています。
支援計画は、外国人が特定技能活動を円滑におこなえるよう、仕事や生活で必要な支援の実施が目的です。
支援計画に必要なおもな項目は以下です。
-事前ガイダンス
-出入国する際の送迎
-住居確保・生活に必要な契約支援
-生活オリエンテーション
-公的手続等への同行
-日本語学習の機会の提供
-相談・苦情への対応
-日本人との交流促進
-転職支援
-定期的な面談・行政機関への通報
支援には、義務的支援と任意的支援があり、事前ガイダンスや生活オリエンテーションなどは義務的支援となります。
自社ですべてをおこなうのは難しい場合が多いので、登録支援機関に委託をするのが一般的です。
特定技能「漁業」で外国人の受け入れにかかる費用
特定技能「漁業」で外国人を受け入れる際は、おもに人材紹介料、在留資格の申請、支援費などがかかります。
それぞれの費用相場は以下です。
人材紹介料…約30万円
在留資格の申請・変更手続き…約10万円
支援費…約2~3万円/月
まず、外国人を募集する際に利用する人材紹介会社への人材紹介料がかかります。
自社で募集をかけることもできますが、外国人を採用する場合、外国語での求人掲載ややり取りが必要となるため、人材紹介会社を利用するのが一般的です。
次に在留資格の申請や変更にかかる費用です。
外国人が既に取得している在留資格を変更する場合、新たに申請する場合のいずれも出入国管理庁への届出が必要です。
在留資格に必要な書類の作成や手続きは専門的な知識が求められるため、委託業者に依頼するのが一般的で10万円ほどかかります。
最後に支援費用についてです。
支援費とは前途した「支援計画」の実施のことです。
委託業者に依頼をする場合は、毎月2~3万円ほどかかることを見込んでおくとよいでしょう。
特定技能「漁業」まとめ
特定技能「漁業」とは、外国人が漁業に従事することができる2019年に創設された制度です。
労働人口の減少が加速している産業分野において、人手不足を解消するために設立されました。
特定技能「漁業」で従事できる業務は、おもに「漁業」と「養殖業」の二つに分けられます。
漁業では、漁具の製作、補修や水産動植物の探索、漁具、漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理、保蔵、安全衛生の確保に従事することができます。
養殖業では、養殖資材の製作、補修、管理、養殖水産動植物の育成管理、収獲、処理などです。
また、漁業分野では外国人を派遣形態で雇用することが可能です。
外国人を受け入れる際は、漁業特定技能協議会への加入や支援体制の構築が必要であることも忘れてはいけません。
ぜひ漁業分野においての人手不足解消に、特定技能外国人の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。
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